パパ。パパ。
もう何処かへ行ってしまうの?
もっとつばきと遊んで。遊んで。
ああ、つばき。
私の大事な娘。
すまないが、私はもう行かねばならんのだよ。
パパ。パパはどうしてすぐに行ってしまうの?
どうしてずっとお家にいないの?
我が愛しい娘。
可愛い娘。
良い事を教えてあげよう。
鳥とはね、いつでも自由気儘に大空を羽ばたき
己の求める物の為になら、何処へでも行くのだ。
いつまでも羽根を窮屈に仕舞い込み
籠の中で虚無の日々を過ごす事を
何より苦手とするのだ。
わかるか、つばき。
父は、鳥なのだよ。
そう言って、パパは何故か楽しそうに
あたしの頭を撫ぜた。
その手はとっても冷たかったけど
とっても優しかった。
と、言う訳でパパ鴉と幼少つばき。
育児は大してしないけど気紛れに帰って来て
気紛れに息子と娘を愛で、何処かへふらりと行く父親イメージ。
小瑠璃はともかく、つばきはそんなパパが大好きな子。