「って訳で、今日一日、アンタの秘書役だから、宜しく」
非常に眠たそうな眼で言った狗守鬼に、コエンマは早速ハンマーをぶん投げた。
『有能秘書』
「危ないな。何、行き成り物騒なモン投げて来て・・・」
「うっさい!何が”って訳で”だ!何も聞いとらんぞワシは!!」
作り物の様に整った顔を赤くしながら、コエンマが我鳴る。
それに、狗守鬼はわざとらしく肩を竦めて、溜息を漏らした。
先程投げられた、自分専用の突っ込みハンマーを器用に指先で回しながら、コエンマに返す。
「喚かないでよ。美人が台無し」
「黙れ!」
「黙ってたら説明出来ないだろ。話すから、大人しくしてくれる」
「っ・・・誰の所為だ!」
「だから静かにしろって」
狗守鬼が呆れる。
コエンマは更に憤りそうになるが、何とか堪え、静かに自分の席へと座った。
「・・・で、秘書役とは、何じゃ」
「ぼたんさん・あやめさんが、休暇取ったから」
「・・・・・・・・で?」
「それだけ」
「・・・・じゃ何でお前が来る必要がある!!」
コエンマが再びハンマーを投げる。
ヒュンヒュンと回転しながら狗守鬼へと向かったが、それもまた、難無くキャッチされた。
「何で怒るの」
「っ・・・お前が近くにいると、集中出来ん!」
「どうして?」
「・・・・・・お前が雷禅に似ているからだ、何だか落ち着かない」
「似てる?そう?」
「・・・その妖気がだ。隣にあると、どうにもダメだ」
「惚れたの?」
「地獄に叩き落すぞクソガキ!!」
ケロリと言われた台詞に、コエンマは普段の沈着さを失い、怒鳴る。
だが顔が真っ赤なので、大して迫力は無い。
それに、狗守鬼にとっては何時もの事。
また、軽く肩を竦めて呆れるだけで、何も言わなかった。
「〜〜〜っ」
「ホラ、いつまで興奮してんの。落ち着きなって」
「誰の所為だと先から・・・!!」
「別に俺何もしてないだろ。文句なら俺を代理にしたぼたんさんに言えよ」
「・・・・・ぼたん・・・・!」
アイツか。と、コエンマが頭を抱える。
その反応を見て、そこまで嫌かと、狗守鬼も首を傾げる。
「何、そんなに俺が嫌い?」
「・・・嫌いじゃない。嫌いじゃないが・・・落ち着かないんだ」
「祖父さん呼んで来てあげようか?」
「ンな事してみろ。魔封環をお前の土手っ腹に叩き込んでやる」
「ああ、怖い怖い」
「思ってない癖に良く言うわ、クソガキが」
コエンマの言葉を然して気にもせず、狗守鬼はツカツカとコエンマの椅子の隣まで歩む。
そして、壁にトッと背を預けると、腕を組んで言った。
「・・・・じゃ、俺、ここにいるから。何かあったら声掛けて」
「・・・・・・物凄く落ち着かないんだが」
「そんなに祖父さんに似てる?俺」
「似ている・・・強過ぎるんだ、お前の妖気は」
「コレでも抑えてる」
「本気出されたら敵わん」
「アンタの霊気も強いけどね」
「当たり前だ馬鹿タレ、コレでも閻魔だぞ」
「女王様は怖いね」
「うっさい、阿呆」
コエンマが不貞腐れた様に机へと向かう。
狗守鬼もそれを見て、手に持っていたハンマーを椅子の近くに放置した。
少々小さめのそのデスクには、山積みになった書類。
狗守鬼の場合、本を読むのは好きであるが、コレは流石にご遠慮願いたい。
延々と終わりの見えない単純作業は、あまり好きではないのだし。
閻魔の癖に、随分と地味な仕事をこなす物だと、ある意味感心しつつ、見遣る。
コエンマの方は狗守鬼の視線を気にしつつも、何時もの通り印を押し始めた。
ペタッ・・・パラッ・・・ペタッ・・・パラッ・・・
印を押す音。
書類を捲る音。
それが規則正しいリズムとなって、部屋に響く。
コエンマと狗守鬼しかいないこの空間には、それがヤケに大きく聞こえた。
ペタッ・・・パラッ・・・ペタッ・・・パラッ・・・
時折、サカサカ・・・と、ペンを走らせる音も混じる。
何かミスでもあったのだろうか、修正でもしているらしかった。
ペタッ・・・パラッ・・・ペタッ・・・・・・・・く〜・・・・・
「!?」
突如、それまで2つしか無かった音の中に、もう1つが加わる。
予期せぬ音に驚いたコエンマは、バッと狗守鬼の方を見た。
「・・・・く〜・・・・」
寝ている。
器用に、立ったまま壁に寄り掛かり、腕を組んで、寝ている。
「・・・・・・・・・・・」
それを見た途端、プチッ。と、コエンマの額から音が聞こえた。
そして次の瞬間、先程狗守鬼が放ったハンマーを再び手に取り、野球のバッティング宜しく思い切り振り切った。
ガンッ!!
ハンマーが、壁にめり込む。
そこに狗守鬼の姿は無い。
あわや顔面直撃か、と言った寸前で、狗守鬼がヒョイと避けたのだ。
そして、先程まで眠っていた為に少々閉じ掛けた瞳で問う。
「・・・・何?突然、危ないな」
「お前なぁ!!人の仕事中に気持ち良さそうな寝息立てるな馬鹿者!!!」
「俺の仕事無いし、暇」
「だからって寝る奴があるかクソガキ!!!」
ハンマーを壁にめり込ませたままの状態で、コエンマがまた怒鳴る。
良く喉が痛くならないな・・・と変な所に感心を抱きつつ、狗守鬼が欠伸をしながら理由を話した。
「仕方無いだろ。昨日、花龍と幻海さんと雪菜さんの女3人相手にして、徹夜したんだからさ」
思わず空気が固まる。
コエンマが絶句しているのを軽やかに無視して、狗守鬼が更に続けた。
「疲れたし、中々終わらせてくんなくてさ・・・だから眠いんだよね、ちょっとくらい寝かせてよ」
「〜〜〜〜っ」
壁にめり込んでいたハンマーをベゴッと外し、コエンマが肩をわなわなと震わせる。
そのまま、ハンマーを大きく振り被って狗守鬼に詰め寄った。
「こっ・・・このっ・・・エロガキが・・・っ!!!」
「ちょっと待って。何興奮してんの。いや、つーか、何誤解してんの」
「煩いエロガキっ!!」
「ヤラシイのはアンタだよ。誰が3人相手に乱こ」
「わーーっ!!馬鹿馬鹿!!言うんじゃない!!!」
ゴズッ・・・と、鈍い音を立てて、ハンマーが狗守鬼の頭を殴る。
慌てて振り下ろした為か、それなりな勢いがついていたらしく、狗守鬼が頭を軽く擦る。
「何、痛いんだけど」
「痛いなんて思ってもいない顔で言うな!!」
「酷いなぁ、ロボットみたいに言わないでよ。俺も生き物だし」
「お前、腕吹っ飛んでも痛がりもしなかっただろうが!!」
「いや、痛いよ。ただ、リアクション起こす程じゃないし」
「・・・・だからお前は無茶ばかりするんだな、阿呆」
と、うっかり話題が逸れた所で、コエンマが慌てて話を戻す。
「違う!そんな事はどうでも良い!」
「俺の頭はどうでも良いの?」
「どうでも良い!今知りたいのはその・・・徹夜の事についてだ!!」
「あー、はいはい、話す話す」
ポンポンと自分より下の位置にあるコエンマの頭を、狗守鬼が軽く叩く。
まるで幼い子供をあやす様な仕草に、彼女は早速顔を茹蛸の様にして喚いた。
「おっ、お前なぁ!!!」
「どうどう、どうどう」
「ワシャ牛かど阿呆!!!」
「牛は喋らないだけ良いよね。ホラ、黙って聞きなよ」
「〜〜〜っ」
腹の立つ事をサラリと言われた気がするが、これ以上子供扱いされるのも癪。
仕方なく堪え、黙って狗守鬼の回答を待つ。
「相手ってのは、アレだよ」
「?」
「トランプ」
「・・・・・トランプ?」
「そ。沢山やったよ。七並べ、ババ抜き、ジジ抜き、神経衰弱は雪菜さんだけ弱かったけど」
その他は結構良い勝負で、中々勝負がつかず、うっかり徹夜した。
と、先程殴られた箇所をパッパと払いながら、無関心に答える。
それを聞いたコエンマは、はぁ・・・と、安堵の溜息を漏らした。
「良かった・・・」
「大体、あの3人に何かしたら、俺、飛影さんに殺されてるって」
「・・・・まぁ、確かにな」
「一緒に住んでるってだけで、アレだよ?本気で無理」
「・・・だな」
よくよく考えれば、それもそうかと。
コエンマは漸く合点が行った様で、やれやれと椅子へと戻る。
「アンタも中々直情的だよね」
「うっさい」
呆れた様子の狗守鬼に、コエンマは少々バツが悪そうに書類へと向き直る。
流石に勘違いで殴ってしまい、ほんの少しばかり罪悪感を覚えているらしい。
本当に直情的だ。
と、狗守鬼はその様子を見て他人事の様に思った。
ペタッ・・・パラッ・・・ペタッ・・・パラッ・・・
再び、規則的な音が繰り返される。
コレを聞いていると眠くなるのに。と、狗守鬼はぼんやりと考えた。
「・・・・狗守鬼」
「何」
珍しく話しかけられ、視線は動かさずに答える。
コエンマの方もそれは気にしない様で、続けて質問を投げ掛けた。
「最近幽助に会ったか」
「ここ半年会ってない」
「・・・何故だ?」
「別に、仕事が忙しいだけ」
「なら、こんな所にいないで、会いに行ったらどうだ」
「どうして?」
「どうしてって・・・」
狗守鬼の疑問に、コエンマは少し思考する。
「・・・親子だろうが」
「そうだけど?」
「会いたいとか思わんのか」
「いつでも会えるだろ」
「・・・ま、お前はそうだろうな・・・」
きっと、親を恋しいと思った事など、無いのだろう。
そう自分で完結し、次に問う。
「幻海や花龍は」
「寺にいるよ」
「そうか・・・遅くまでトランプなんぞやっていたのなら、眠いんじゃないか?」
「さぁ、花龍も幻海さんも、普通に元気だったけど?」
「・・・そうか」
「雪菜さんは少し遅く起きてた」
「そりゃあ、そうだろう」
「雨菜は雪菜さんと一緒に起きてたし」
「・・・・・・・・・・・・・・」
唐突に、コエンマが黙りこくる。
ん?と狗守鬼が初めて視線を向けると、コエンマはふと言った。
「そう言えば、幻海の道場では、男はお前だけだな」
「飛影さんがいるけど」
「飛影は月に1度しか戻って来んだろう」
「・・・まあ、そうだけど」
「男1人に女4人、一つ屋根の下か・・・普通に考えれば、中々に羨ましい状況だな」
「だろうね」
「・・・否定しない所がお前らしいな」
相変わらず素直な男だ。
と、コエンマはふぅと息を吐く。
そして、手だけは機械的に動かしながら、また問い掛ける。
「で?今日は仕事とやらは入ってないのか」
「コエンマさんの秘書役」
「・・・・・仕事か、これ」
「依頼が来たら、一応仕事」
「・・・報酬なんぞやらんからな」
「いらない。どうせロクなモンでも無いだろ」
「失礼なガキだなお前も・・・!!」
「アンタから見たら、ガキだろうね」
アンタより年上なの、祖父さんくらいだし。
そう、自分の祖父を思い浮かべる。
他にも煙鬼や棗あたりはコエンマより年上なのだろうが・・・
年齢は知らない。
ただ、何となく、そう思うだけ。
「・・・・・・・・・・・そう言えば」
「まだ何かあるの」
「ああ、今思ったんだが・・・」
手を止め、顎に手を当てて考えるコエンマに、狗守鬼は首を傾げる。
そのまま言葉を待っていると、コエンマもコチラに視線をやって来た。
「お前、今、幾つだ?」
聞かれた一言に、狗守鬼も考える。
年齢。
自分は、さて、幾つだったか。
「・・・・・・・100超えてから、数えて無い」
「・・・・どんだけ前だ」
「さぁ。だって、面倒だし。大体300歳くらいじゃないの」
「300か・・・いや、お前、もっと行ってるだろう」
「だから、数えてないんだって」
年齢なんて何の意味も持たない。
永遠に近い、気の遠くなる様な命を持つ自分達にとっては。
それはコエンマにも言える事。
雷禅にも、幽助にも。
と言うより、自分の周囲の奴等は全てそうだと、狗守鬼は言う。
「志保利はただの人間だけどね」
「まぁ・・・な。それを考えると、哀れだな」
「蔵馬さんも哀れじゃない」
「・・・・・・そうだな」
また愛しい者と。
最愛の人と死別する苦しみを味わわなければならないのだから。
「愛別離苦って奴かな」
「だろうな。全く、四苦八苦とは言った物だ」
「本当にね」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
少しばかり空気が重くなった所で、コエンマは慌てて次の話題に切り替える。
「そうだ。つばきや小瑠璃を知らないか」
「どうして」
「いや・・・姿が見えん」
「ぼたんさんと一緒に、どっか行ったんじゃない」
「・・・・勝手に休みおって・・・・」
あいつ等も一応は霊界の住人だろうに。
と、コエンマは頭を押さえる。
その様子に、今度は狗守鬼から問い掛けた。
「アイツ等ってさ、普段何してんの?」
「?何がだ」
「小瑠璃は良く死者を案内してるけど、つばきは偶にしかやんないだろ」
「ああ・・・小瑠璃の方は、案内が殆どだな」
「つばきは?」
「アイツは管理だ」
「管理?」
あの爆弾脳味噌で管理なんて出来るの?
そんなさり気無く失礼な言葉を、コエンマは普通に受け取る。
そのまま、何の弁明もしてやらないで、答えだけを返した。
「犯罪者達の牢の管理だ」
「ああ・・・そっちね」
「何も資料管理を任せている訳じゃない」
「だからアイツ、偶に犯罪者達を吹っ飛ばしてんのか」
「・・・・・その話はしないでくれ」
コエンマも、参っているらしい。
重々しい溜息に、狗守鬼は軽く肩を竦めるだけで、何も言わなかった。
「・・・・・・で、何で突然質問なんかして来たの」
「いや・・・・間が持たなかった」
「・・・・仕事、集中しろよ」
途端、静かになる。
これと言って話す事が無くなったらしく、また、作業を再開し始めた。
「・・・あ、そうだ」
「何じゃ」
「取って来る」
「何を」
不意に壁から身体を離した狗守鬼に、コエンマが問う。
「次の書類」
「まだあるのか・・・」
「さっき来る時、青鬼さんに言われたんだよね」
「誰だ、青鬼って」
「蒼い鬼」
「・・・たくさんいる」
「名前なんか、聞いてない」
「覚えてないの間違いじゃないのか」
「かもね」
否定も肯定もしなかったが、恐らく、本当に聞いていないのだろう。
コイツが、一々相手の名前を聞く訳が無いし。
そう、コエンマは自己完結する。
「何?」
「いいや、何でも。・・・・ホラ、取って来るんだろう?」
「ああ、そうそう。じゃ、行って来る。大人しくしてなよ」
「しとるわ馬鹿者!!」
本日3度目の、ハンマー投げ。
そのハンマーはやはり、狗守鬼に軽々と受け止められてしまった。
「・・・多いな・・・」
先程の青鬼から書類を受け取り、道を辿る。
何となく書類の量を数えてみたりしたが、やけに多い。
コレはまた大変そうだな。と、ぼんやりと考えながら、歩く。
その最中も、嫌に背中に突き刺さる、1つの視線。
(・・・特防隊の奴か・・・)
狗守鬼が、視線を動かさずに相手を特定する。
確か、新たに隊長に任命された男だ。
そいつが、見ている。
それはそれは、憎々しい感情に満ちた眼で。
相変わらず霊界は、妖怪に対しての差別が激しい。
その証拠に、人間界と魔界とは違い、霊界と魔界の付き合いは皆無。
更に、下等妖怪ならまだしも、狗守鬼は魔族。しかも雷禅の血を濃く受け継いだ。
彼が妖気を解放したら、幾ら守に長けている霊界と言えど、手に負えない。
だから、警戒しているのか。
それとも、ただ単に、霊界に妖怪が闊歩しているのが、気に食わないのか。
何にせよ、まだ、視線は外れない。
・・・霊界には、陰気な奴が多いな。
狗守鬼は、呆れた様子で思ってみた。
「ホラ、書類」
戸を開けつつ、言う。
だが、返事が無い。
「?」
訝しく思い、デスクを見遣る。
「・・・・・・・・・・・・」
・・・・寝ている。
先程までの書類は一通り片付けた様で、机の上は綺麗だった。
「・・・・俺には寝るなっつった癖に」
ふぅ。と、溜息を吐く。
だが、まぁ、コレだけの仕事を1人でこなしているのだ。
少しくらいは、大目に見る。
「・・・ったく、折角書類、取って来たのに」
手に持っていた書類を、コエンマを起こさない様に、そっと置く。
それから、もう一度だけ、呆れた様な溜息を深く吐いた。
「コエンマ様ー?ぼたんでーす。・・・入っちゃいますよー?」
それから数時間後、休暇を満喫して来たぼたんが訪れる。
暫くコエンマの部屋の外で待っていたが、返事が無い。
「?勝手にお邪魔しまーす。ぼたんでーす」
仕方なく、入る。
すると、コエンマが眠っているのが、目に入った。
「おやまぁ。珍しいねぇ、コエンマ様が眠ってらっしゃるなんて」
そこまで言って、キョロキョロと周りを見渡す。
今日、秘書役を頼んでおいた狗守鬼の姿が無い。
まさか、すっぽかしたのだろうか?
いいや、彼は、約束は守る方だ。・・・覚えていれば。
「まさか忘れてたなんて・・・・・・・・・ん?」
ぼたんが危惧したその時、何かを発見する。
それは、紙。
不要になった書類らしく、ペンのインクを調べる為の線が入っていた。
そこに、文字。
あまりに達筆な、一見女性が書いたと見紛う様な、文字。
「?もしかして、狗守鬼君・・・?」
ぼたんが、予想外に美しい字に驚きつつも、それを読む。
『帰って来たら起こしてやって』
言伝は、それだけ。
それだけが、紙にポツンと書き残されていた。
「おやおや、帰っちまったのかい?全くもう・・・・」
紙を見つつ、ぼたんが笑う。
「・・・でもま、ちゃーんと仕事はしてくれたみたいだし、多めに見てあげるさね」
紙を元の位置に戻し、また、笑う。
コエンマの背に掛けられていた布団を、少し直してやりながら。
END.
『有能』と言いつつ、やった仕事は書類運びと毛布掛け。
狗守鬼は字が綺麗。幻海さんに教えられたのか。
背景は月下美人。何となくコエンマさんのイメージ花。
ちなみにコエンマさんは幽白で唯一女性設定。
そして狗守鬼に対してはとても口が悪い。そんなコエンマさんが好きです。