「・・・・・・・・ん?」





眩しい光で眼が覚める。


そうか、朝か。


と、ダルイ体を無理矢理起こし、くーと伸びる。


・・・そこでまず思った事は





「・・・・何で俺、裸なんだ・・・・?」










『酒の悪戯』










待て待て待て。


まぁ、今は夏も近い頃だ。風邪ぁひかねぇだろ。


いやちげーよな。そーゆー事を考えるべきじゃねぇ。



あー、まず、昨日の事を思い出せば済む事だ。



「・・・・・・・・・・思い出せねぇ」



ヤベーヤベー、こりゃあ抜っさんの事、ボケたの何だの笑ってらんねーぜ。

大体毎日毎日歩いては酒飲んで寝ての繰り返しだし。

退屈過ぎて、毎日の事なんざ一々覚えてねーよ。

昨日会った人間の事すら覚えてねーんだ。どうしろってんだ。

まぁ、抜っさんと旅始めてからは結構退屈しないで済んでるんだけども・・・



「・・・・・・・あ?」



そう言えば抜っさん。

なーんかさっきから隣があったけぇなと思ってたら・・・・



「・・・くー・・・」



何でコイツ隣で寝てやがんだ。

いや、つか何で同じ布団なんだ。

・・・で、俺が裸で寝てるのも疑問だ。


・・・・若い(?)男と女が1つの布団かよ。

しかも俺は全裸と来たか。

何だこの状況、本気で覚えてねーぞ。



まぁ、順を追って思い出そう。



まず、昨日は漸く村に着いて、宿確保。

その後俺は酒買いに行って・・・抜っさんは一日中部屋にいたな。

んで、夜は飯食って風呂入って・・・んで・・・



「・・・・あー・・・・思い出した」



酒飲んだんだ。


確か・・・そう、風呂入って、もう寝るって時。

抜っさんも珍しく付き合うとか言って、飲んでたんだよ。

んで・・・抜っさんがベロベロに酔っ払って・・・


・・・あー、押し倒されたんだった。


思い出した思い出した。

・・・・アレ、この後どうしたんだっけか・・・・。




・・・脱がされた?




「・・・・あぁ、そうだ」




脱がされた・・・んだけども。


その後すぐ、コイツが間抜けな事に寝こけちまったんだよな。

・・・すげーな、オイ。

女の服脱がしてそこで寝るか?

・・・・いや、まぁ、もしかしたら不能なのかも知れない、詮索はよそう。








「ん・・・・・」







お、お目覚めか。

ったくよぉ・・・人の服引っぺがしといて、テメーはグースカお眠かよ。

良いご身分だよなぁ、オイ。




「・・・・ん?」
「よぉ、おはよーさん」
「・・・あぁ・・・おはよう・・・・・・・・・・・!!?」



寝惚け眼だった抜っさんが、俺を見た瞬間素晴らしい俊敏さで飛び退く。

おー、流石、抜刀斎の名は伊達じゃねーな。

あの動き中々出来ねーぞ。人間技じゃねぇ。



「すげーな、流石元抜刀斎」
「な、な、な、何て格好してるんだお前は!!!!」
「あ゛ー。っせーなぁ・・・」


誰の所為だっつーんだよ。


「ふ、服着ろ馬鹿!!」
「あのなぁ・・・テメー、誰の所為でこんな格好してると思ってんだ、コラ」
「・・・誰の、所為って・・・」
「テメー以外にいるかってんだよ、三十路」
「・・・・なっ、そんな訳あるか!!」

あー、やべ。
コイツ昨日の事スッカラカンだなぁ?さてはよぉ。
・・・まぁ、ベロベロの泥酔状態だったから、無理ぁねーか。

「よぉし、テメー昨日の事ゆっくり思い出してみろ」
「き、昨日・・・は・・・宿に着いてから・・・」
「着いてから?飯食って風呂入って、そっからどうしたよ」
「・・・もう寝ようとしたが、お前が酒に付き合えと言うから・・・
 ・・・・・・付き合って、飲んで・・・・・・・・・・・・」

抜っさんが固まる。
うわ、顔青いぞコイツ、平気か。

「いや、嘘だ。だが、そこから記憶が・・・」
「あー、やっぱなかったか」
「・・・・嘘だと言ってくれ」
「いや、だからお前落ち着けって、顔青い通り越して白いぞ」

気持ち悪ィな。

「ま、アレだ。脱がされた直後にテメー、寝やがったからな」
「・・・・そ、そうなのか?」
「おー。だからテメー隣で寝てたんだな、重くてどかしたんだよ」
「・・・・安心した・・・が、何だかそれはそれで情けない様な・・・・」
「・・・まぁ、不能なのは恥ずかしくねーよ、仕方ないって」
「だ、誰が不能だ!!!」

違うのかよ。
なんだ、てっきりあの状況で寝たから・・・
出来ねー体なのかと思った。

「つまんねーの」
「お、お、お前、なぁ・・・!!」
「まぁ良いけどよ」

そこで一旦会話が落ち着く。


あー、コイツが黙ると静かだな。


・・・いや、未だに顔は青白いけども。

「・・・・・・・悪かった」
「は?」
「記憶は無いが・・・俺がやったのは確かだろう」
「いや、別に脱がされただけだしなぁ」
「だからそれが・・・」
「・・・ガキ孕んだとかなら、ま、責任取らなきゃなんねーだろぉけど」
「恐ろしい事抜かすな馬鹿!!」

確かに恐ろしい。
つか、コイツのガキとかすげー可愛げ無さそう。
ぜってー融通利かないぜ、断言できる。

「・・・お前、今何か失礼な事考えなかったか」
「あ?・・・あぁ、まぁな」
「ってお前そこは普通否定する所だろうが!!何考えてたんだ一体!!」
「テメ、人が素直に言ってやりゃあよぉ」

何でコイツに物事の返答まで指図されなきゃなんねーんだ。

「ああ・・・・朝から疲れた・・・」
「こっちもな」
「・・・・顔、洗って来る」
「おー、ついでに朝飯でも持って来いよ」
「お前なぁっ・・・・ったく・・・・仕方の無い・・・」


とか愚痴愚痴言いつつ、素直に下に降りる三十路は扱い易い。

コイツ、昔からこうして人に流されて生きて来たんだろうか。

うわー、すげー嫌な人生。

ま、如何でも良いけど。





さて、服着るか。





と、立ち上がったと同時に、股座に違和感。


何だ何だと探ってみれば




「・・・・白い、液体・・・・?」




あー・・・


こりゃあ、一体どう言うオチだ?


確かに昨日は、抜っさんが酔っ払って服脱がされた。


でもよぉ、確か抜っさんはその後寝た筈だよなぁ。


実を言うと、その後の事は色々俺も曖昧なんだが・・・


あはは、まさか、抜っさんが寝ちまったのは俺が見た夢で・・・



実はやられてました。



・・・・って、事か?


・・・・・・・そう言えば、やたらと異物の残留感が、ある。





「・・・・黙っておくか」





これ言ったら、本気で倒れそうな気がするしな。

アイツ、人斬りとかやってた癖に、精神脆いんだよ。


つーか、俺も、抜っさんと寝た記憶が無いくらい、酔ってたんだろうか。


珍しいな、俺が酒に酔うなんて。

まぁ、流石に昨日は飲み過ぎたからなぁ。(確か2升半、いや3升近くは飲んだ)





・・・いやー、酒ってぇのは、怖いね。


















END.


結局、まぁ、そーゆー事です。
・・・15禁サイトだから、大丈夫だよ・・・ね?(汗)
つか、3升近くって・・・5.4リットル・・・。
化け物ですか!!(飲兵衛にも程がある)

背景がイチゴなのは、何かこう、ストロベリーな内容だから。(違)
この小説、名前変換の意味ありませんね!
だって名前が一度も出て来て無いd