凄く清々しいね・・・この朝日!!!


やっぱ秘密を打ち明けた後って、気分晴れるね!!!


あー、コレで帰れる方法さえわかれば万事解決なんだけど・・・・


・・・どうして、こんなに嫌な予感がするんだろう・・・











『想華 拾漆』











つーか寒い!!

昨日薫さんに服洗って貰ったけど・・・血ぃ落ちてねーし。

あー、昨日ジャケットだけで過ごしてたから寒ぃーな・・・


?大丈夫・・・?」
「へ?あ、ああ、平気平気」
「そう・・・・でも、良かったわね。緋村さん、信じて下さって・・・」
「本当だよなぁ。心強いし」
「ええ」

巴が微笑む。
相変わらず綺麗な子だよね本当。

・・・緋村さんが惚れるのも、わかるよ。

「そうだ、朝ご飯の準備が出来たの。もう皆さん待ってるわ」
「げ、マジ!?おっし、行くか!」
「ええ」


朝飯!!今日もまた元の世界に帰る方法探さなきゃなんねーしな!!

体力、つけとこ。






「おはよう、さん」
「あ、薫さん、おはよ」
「おはよー」
「おう弥彦君、おはよ」

皆さんとても暖かい・・・!!!
今日で明治に来て3日目突入だけど・・・馴染んでるよね俺等!!
巴なんか着物だしな。わかんねーよ何時代の人か。

「あ、緋村さん、おはよう御座います」
「ああ・・・おはよう、殿」

緋村さんにも挨拶・・・・・・って・・・・・・・





何か、眼が笑ってない・・・・・???





えぇぇえ!!?どうして!!?

俺やっぱ嫌われてる!!!?どうして!!!?

睨まれてはいないけど、眼がすっげぇ冷たい!!!痛い!!!!

まるで昨日のお巡りさんの様な、氷みてーなその視線が怖い!!!!!

どうしてですかぁぁあああ!!!?



「おはよう御座います、緋村さん」
「ああ・・・おはよう、巴」



巴に対しては笑顔ぉぉお!!!!

いや、俺にも笑顔だったけどだったけどだったけど!!!!


●俺に対しての笑顔→眼が笑って無い。視線が氷の様に冷たい。
●巴に対しての笑顔→凄く柔らかい微笑み。暖か過ぎる優しい笑顔。


だしさぁぁぁあ!!!!

何で!?どうして!!?

緋村さん完璧に巴に惚れた!!?ぎゃぁぁあ!!!!

俺どうしよう!!許婚としてどうしよう!!!


「よぉ、遅かったじゃねぇか」
「あ、あれ?相楽君・・・おはよ」
「おう」
「もう、佐之助ったらまた朝ご飯食べに来たのよ!?全く・・・」

いない筈の相楽君がいてちょっと驚いてると、薫さんが怒った様に言った。
ふぅん・・・朝飯食いに来たのか。

「まぁ良いじゃねぇか。それに、今日は巴が作ったんだろ?」
「何よ!あたしの料理じゃいけないの!?」

あ、あはは・・・俺関わりたくないのでスルーしまーす。


・・・今はそれより緋村さんだよ!!!!


あぁぁぁどうしよう・・・いや、どうしようも無いけど・・・

つか俺どうしてこんな嫌われてんの!!?何かした!!?

もしかして巴の許婚だから!!?えぇぇえ!!?

それは困る!!だってどうにも出来ねぇもんよ!!!!



「さ、それじゃあ頂きましょう!」



薫さんの言葉で、皆一斉に手を合わせて食べ始める。




・・・・のは、良いんだけど・・・・




飯食ってる最中は、皆それぞれ談笑する。


俺も巴と話したり、薫さんと話したり・・・

巴も、俺と話したり・・・緋村さんと話したり・・・・


あー・・・何かもう一度意識しちゃうとダメだよなぁー・・・


巴が緋村さんと話す度、ちょっと、気になるっつーかぁ・・・・あはは・・・。


俺!!落ち着け俺!!

嫉妬とかするなよみっともねぇなぁ!!!

・・・もっと穏やかに行こうぜ。穏やかに。












「ご馳走様でした」


朝飯を食い終わって、手を合わせる。

巴は、ちょっと笑ってこっちを見てくれた。

おー、美味かったよ。


「じゃあ、食器を片付けますので・・・」
「あ、私も手伝うわ!」


巴が皆の食器を重ねて、持って行こうとする。

それに、薫さんも慌てて手を貸そうとしたが、巴は笑顔でやんわり断った。


「大丈夫です。泊めて頂いているんですもの。これくらいさせて下さい」
「で、でも・・・」
「大丈夫ですよ」

巴が微笑む。

・・・・つか、俺も手伝わなきゃな。




そう思って立ち上がろうとした、その時





「巴、手伝おう」





緋村さんがすっと立ち上がり、巴の手にあった食器を静かに奪った。




・・・・えぇぇえ!!?

あ、あの、俺、えぇぇえ・・・!?!




「い、いえ、そんな・・・大丈夫です」
「俺が手伝いたいだけだ、気にするな」
「で、でも・・・」


巴が戸惑っている間に、緋村さんは台所に食器を持ったまま行ってしまった。



・・・あぁ、何だろう・・・緋村さんのあの、すっごく柔らかい笑顔・・・!!!



「ま、待って下さい・・・」



巴も、慌てて緋村さんの後を追った。


残された俺等は、キョトンと顔を見合わせてしまった・・・


・・・・・・・うん、どうしよう。




「おいおい、よぉ」
「うわ!?」

ぐっと首に腕を回され、驚く。

相楽君だった。

「な、何?」
「おめぇの連れと剣心・・・一体どうしちまったんでぇ」
「へ?」
「剣心の奴・・・珍しくござる口調じゃねぇしよ・・・俺とか言ってたし・・・
 それに何だよ、やけに巴を気に掛けてるみてぇじゃねぇか」
「な、何で俺に聞くんだよ・・・」
「おめぇの連れだろうが、巴は!」



ンな事言われたってさぁぁあ!!!!!



俺が聞きたいよ!!
つかもう今ので割と決定的だったと思うけどね!!!


緋村さん絶対巴に惚れた!!!ヤバイ!!!!


「・・・・・・・・・」
「・・・嬢ちゃん、気にすんなって」
「う、うん・・・」


・・・え?

・・・・今のって・・・・もしや・・・・



薫さんが、緋村さんの事、好きって事・・・・・だよな?



・・・・つー事は、だ・・・・

今の関係を纏めると・・・・




俺&巴←緋村さん←薫さん




・・・何この三角関係でも四角関係でもない微妙な関係図!!!!!!



ど、どうしよう、俺もどっか向くべきですか・・・

じゃなくて!!!!

俺は巴一筋だよ馬鹿野郎!!!!



「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」



皆揃って無言になってしまった・・・・



どーするよ・・・どーするよ俺・・・!!!!!



もしかして、嫌な予感て・・・・コレだったのか!!?




































NEXT


第二幕開始。
そして初っ端から雲行きが怪しく・・・
こっからもっと、暗雲立ち込めて行きますよ。

緋村がついに露骨な態度に出ました。
主人公もいよいよ焦り始め、周囲も困惑中。
一幕は『未来人と言う事実を明かす』と言う、主人公と巴の問題。
しかし二幕では、『過去と現在の好きな人』が色々問題に。

・・・さて、この二幕の開始からもわかるように(そして注意書きにもあるように)、
緋村が相当嫌な男になります。
皆さん、お気をつけて。