男と執事

「もうクリスマスですか、1年が過ぎるのは早いですね」
「左様ですね」
「小さい頃に比べると、一年が早い気がしますよ」
「おや、そうなんですか?」
「ええ、昔はクリスマスや誕生日を、数日前から指折り数えていたのに・・・今は気付けば。と言った感じで」
「なるほど、それはあるかもしれませんね」
「でしょう。昔なら、今頃サンタに何を頼もうか、頭を抱えている頃なのに」
「一樹様はお幾つまでサンタの存在を信じていらっしゃったのですか?」
「いくつまでだったかな。小さい頃の記憶は曖昧で・・・ただ、コレだけは覚えていますよ」
「はい?」
「父さんと母さんが、今と変わらない姿だった事です」
「・・・相変わらず謎が多いですね、この家は」