ニコニコ。ニヤニヤ。


柊沢が、嫌な笑みを浮かべて俺を見つめる。


・・・コイツがこう言う笑い方をする時は、大抵ロクでもない事が起きるんだ。




「ねぇ、李君」




ほーら、来た。


いつもいつも、その笑顔が悪い笑みだってわかってるのに。


その後続く言葉が俺にとってかなり大変な事だってのもわかってるのに。


毎回騙されるのは、惚れた弱味と言う奴だろうか。




「・・・口でしても良いですか?」




・・・は?

















「っ・・・何、企んでんだよ・・・柊沢・・・くっ・・・」


別にそう言う雰囲気でもなかったにも関わらず、柊沢は口で俺のソコに愛撫を加えてくる。

まぁ、拒否する理由も無いし、コイツが口でしてくれるなんて、珍しいし・・・。

寧ろ宜しく。とウッカリ受け入れたは良いが、直後に思い出した、アイツの笑顔。


・・・絶対、何か企んでるに決まってる。


俺が息を乱しながら睨み付けると、柊沢は視線を流しながら笑った。


「別に、何も?」
「嘘・・・っ、つ、け・・・」
「酷いですねぇ、私が貴方を騙した事がありましたか?」
「いつもだろうが!・・・っ」


いけしゃあしゃあと言ってのける柊沢に怒鳴ると、アイツはソコの先端にふっと息を吹き掛ける。

その瞬間思わず変な声が出そうになり、慌てて言葉を息ごと飲み込んだ。


そんな俺の様子を見て、柊沢はまた笑う。


・・・コノヤロウ、後で覚えてろよ。


「大体っ!何で、突然口でするなんて・・・」
「だって、明日はさくらさん達とプールに行くじゃないですか」
「ああそうだな、それがどうしたっ」
「今日貴方とエッチしたら、確実にキスマークつけられるなぁ。と思ったので、先手を打とうと」
「・・・・・・まだ根に持ってんのか、お前」


まさか。と輝く笑顔で言う柊沢。

つまり、イエスだ。こう言う所は非常にわかりやすい。


確かに、前室内プールに皆で行った時、キスマークつけたのは悪かった。

さくらに虫刺されかと心配され、珍しくコイツが狼狽していたのを思い出す。


けどもうそれ去年の話だろうが!

今回は十分気をつける気だったし、それでなくともまだそう言う雰囲気にすらなってなかったし!


「だから、今日は口だけね」
「あ、あのなぁっ・・・」
「あぁ、それと」
「何だよ!?」


さっき息を吹きかけたまま放置している俺のソコへ、柊沢が真っ白で細い指を添える。

それがまたかなりもどかしく、いっそコイツをこのまま押し倒してやろうかと思う程。

けどそれはまだ、コイツの言葉の続き次第で変わるだろうから、取り合えずグッと堪える。



柊沢は俺が黙ったのを見てから、ニヤリと笑い、囁くような甘ったるい声を出して、俺に言ってきた。





「私の顔・・・よぉく見てて・・・ね?」





そう言うと、今度はゆっくり俺のソコの顔を近づけ、ピンク色の小さな舌で先端をチロチロと舐めて。

腰を襲った快感に思わず震えると、柊沢が目を猫の様に細めて妖しく微笑む。

そのまま、挑発的な上目遣いで俺をじっと見詰めたまま、焦らす様に小さな口に俺のを収めていった。

暖かい咥内と舌に包まれ、潤んだ瞳で射抜かれ、官能的なその表情に生唾を飲み込む。



そんな俺を見て、柊沢は喉を震わせて笑ってから、また口での愛撫を再開した。









・・・それが、昨日の夜の話。


今俺は、去年来た室内プールで、柊沢やさくら達と昼食を取っている。


去年は確か、柊沢の奴が面倒事起こしてたな。とか思いながら、目の前に座る奴を見る。


・・・今回は痕もつけてないし、俺と視線が合うと、機嫌良さそうにニッコリ笑ってきた。


・・・それを即座に可愛いと思えてしまう俺は大分末期だと、自覚してる。



自分のやられ具合に溜息を零し、柊沢から視線を外して飲み物に口をつける。

やっぱりここのクリームソーダは美味い。一気に飲むとこめかみが痛いけど。

と、気をつけながらストローを吸うと、柊沢が楽しそうに声を掛けて来た。


「ねぇ、李君」
「ん?」


このテーブルには、俺と柊沢、後はさくらと大道寺が座ってる。

けど、2人は後ろのテーブルの佐々木なんかの方に身体を向けてるから、実質コイツと2人だ。

そんな中で楽しげに声を掛けられたら、ついじぃっとコイツの顔を見つめてしまう。



俺の視線が自分に向いたと確認したのか、柊沢は昼食のフランクフルトを手にして・・・





「私の顔・・・よぉく見てて・・・ね?」





つい昨夜聞いた様な台詞を、何とも蠱惑的な微笑で言ってくれた。


それにドキリとする間も無く、ゆっくりソレに顔を近づけ、ピンク色の小さな舌で先端をチロチロと舐めて。

思わず息を飲み込んだ俺に、柊沢が目を猫の様に細めて妖しく微笑む。

そのまま、挑発的な上目遣いで俺をじっと見詰めたまま、焦らす様に小さな口にソレを収めていって。

暖かい咥内と舌に肉を包みながら、潤んだ瞳で俺を射抜いて・・・官能的なその表情に生唾を




って、違う!!!




「な、な、な、お、おま、お前・・・ッ!!!」




バンッ!と勢い良く両手でテーブルを叩き、思わず叫びそうになり、ハッと声を抑える。

・・・が、時既に遅し、俺はバッチリさくらを始め周囲の客やら店員やら全員の視線を独り占め。



・・・・・・ただ1人、柊沢だけがニコニコ、いや、ニヤニヤ笑ってるだけ。



「・・・ど、どうしたの?小狼君」
「いえ、ちょっと私が悪戯しただけですよ」


ね?と、問い掛けてくるさくらに答えてから、俺に微笑みかける。

物凄く居心地の悪くなった俺は、赤くなった頬を隠す事も出来ず、フンとソッポを向くしかなかった。



ああ、全く。

昨日突然口でするなんて言って来たのは、この為だったんだな、お前。

わざわざ顔を良く見ろだなんて言ったのも、ぜーんぶ、コレがやりたかったからか。

今回もやられた。・・・いや、毎回だけど。


文句の1つも言ってやりたいが、流石にまだ注目を集めてるこの場では無茶と言う物。


でもどうしても何か言いたかったので、柊沢を睨みながら口パクで




こ ん や お ぼ え て ろ よ




ナイショのメッセージ。


すると柊沢は、怖いですねぇ。と笑いながら、手にしていたフランクフルトに軽いキスを落とした。














ニコニコ。ニヤニヤ。


柊沢が、嫌な笑みを浮かべて俺を見つめる。


・・・コイツがこう言う笑い方をする時は、大抵ロクでもない事が起きるんだ。




「ねぇ、李君」




ほーら、来た。


いつもいつも、その笑顔が悪い笑みだってわかってるのに。


その後続く言葉が俺にとってかなり大変な事だってのもわかってるのに。


毎回騙されるのは、惚れた弱味と言う奴だろうか。




「・・・好きですよ」




・・・まぁ、でも。




「今度は何企んでんだ」

「ふふっ、嫌ですねぇ、何も?」






コイツがこんな風に楽しそうに笑うなら、いくらでも騙されてやるよ。






























END.

実は最初逆バージョンだった。
プール前日にエッチするのを渋るエリオル君に、『痕つけないから』と小狼君が言って
結局流されるんだけど、やっぱり次の日痕がついてて・・・また騙されました!みたいな。
でもどっちかと言うとそれは高校生でやりそうだと思ったので。(小学生はまだエリオル君優勢)

フェラ描写が出ていますが、裏に置く程じゃ・・・ない、よね?
部位の名前は出てないし、描写もぼかしてるし、精液出してないし。(ストレート)
こう言う時のボーダーラインが非常に曖昧なのが二次創作。本番してないのでご容赦。